カワングワレはナイロビの西部に位置する低所得者層が多く住む地域です。3平方kmの中に30万人以上が住むといわれ、多くの住民が1日1ドル以下の暮らしをしています。カワングワレスラムの住民の半分以上は、近隣のラビントン地区やカレン地区といった高級住宅地域で働いていました。職は家政婦や警備員、クリーニングといった高所得者層を支える仕事。平均月収は5000〜1万ケニアシリング(約5000〜1万円)と少なかったですが、なんとか家族を食べさることができていました。
そんな中、世界的コロナ危機が発生。
ケニアでは3月、自粛要請が発表され、4月上旬にはナイロビ首都圏全体で都市封鎖(ロックダウン)が実施されました。これにより高所得者層は家に閉じこもると同時に、家や地域への人の出入りを制限するため雇っていた人たちを解雇。
70%以上のカワングワレ住民が仕事を失ったといわれています。
失業することは、ダイレクトに食べ物がなくなることを意味します。
コロナの影響で仕事を失い、安心して眠る住まいもなく、明日の食事を心配する毎日。カワングワレの住民は今、人として保証されるべき最低限の生活もままなりません。
政府からの支援も本当に苦しむ人のところに届いていません。
結果、末端で貧困にあえいでいる人にまで支援が届いていない現状です。